パスワードが流出したり、不正に盗まれたりしたというニュースが頻繁に取り沙汰されており、もはやパスワードが安全なものとは言いがたいのは周知の事実です。
Appleが2022年6月7日の年次開発者向けイベント「WWDC22」で、Touch IDやFace IDを使って、パスワードなしであらゆるサービスにサインインする仕組みである「Passkeys」のデモンストレーションを公開しました。
「Passkeys」のデモンストレーション
Appleが公開した「Passkeys」のデモンストレーションは、WWDC22の発表をまとめた以下のムービーの再生開始から1時間19分44秒が経過したあたりから見ることができます。
Passkeysとは
Passkeysは、パスワードレス機能の業界標準であるFIDO Alliance(ファイドアライアンス)の策定する仕様「FIDO/WebAuthn」に沿って実装される機能です。
iPhoneやiPad、MacBookなどのデバイスで指紋認証(Touch ID)や顔認証(Face ID)を行うことで本人確認ができると、そのデバイスを所持している者が本人であることを認め、デバイス内に生成された公開鍵暗号方式の「FIDO認証資格情報(FIDOクレデンシャル)」による情報をサーバとやりとりすることで、ユーザーがいちいちパスワードを入力することなく、またサーバにパスワードが送られることなく安全にログインできる仕組みです。
iPhoneでWindowsなどもログイン
Appleは今回のWWDC 2022で、FIDO Allianceの標準に沿ってマイクロソフトやGoogleと共同で作業し、Passkeysをクロスプラットフォームでシームレスに機能するように開発していることを明言しました。
つまり自分のPCに顔認証機能も指紋認証機能もついていないWindowsユーザーだったとしてもその側に置いたiPhoneやiPadのTouch IDやFace IDを使ってパスワードレスでFIDO/WebAuthn対応のWebサイトやサービスなどにログインできるようになることが期待できます。
おそらくは可能となるでしょう。
パスワードを使わない時期がくる
パスワードが流出したり、不正に盗まれるという問題はきえていません。今回のPasskeysのような機能が実装されて使用されるようになってくると、流出などの問題も減ってくるかもしれません。
でも、使いやすいかどうかがもっとも重要です。
iPhoneに実装されたら試してみたいですね。
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